有害化学物質をブロックして長期に渡って木材を守る「ロハスコート」
木材保護塗料の比較試験
上の写真は御殿場市の「富士山樹空の森」屋外のドームの写真です。
木材保護塗料の耐久性が長い間、問題になっています。
カタログでは高耐久を謳いながら、3年で塗り替えを推奨していたり、実際に塗っても
長持ちせずに劣化してしまいます。陽の当たらない部分は紫外線の影響が少ないので
色が持つのですが、南面の陽の良くあたる部分はの3年もすると黒く変色してしまうこと
が多いのです。
臭いもきつく身体に大きなストレスになる塗料が多過ぎます。
富山県と民間の6社が共同研究を行いました。
1)研究課題・・・野外暴露評価に基づいた高耐久木製品の開発
2)研究の目的・・・使用環境に近くかつ厳しい野外環境下で各種の材種、塗装製品
などを暴露して、木製品に適した素地材料、塗装の開発支援を行う。
等を目的として環境の違う3箇所(多湿地、高温多湿地、高標高寒冷地)
富山、与那国、菅平の3か所に暴露台を設置して1年間、富山県技術セン
ターが管理を行うという条件で試験が行われました。
試験は ISO 16053の規格で行われました。
ISOの規格はJISと違って試験方法が厳しくなっています。JIS規格では試験板の木口も塗
りますが、ISOでは木口をシールさせません、板もJISのように整形の物ではなく、横から見
ると台形に見えるようなより暴れやすい形状の物を規格として使用しています。
試験対象の製品の能力が早く、はっきりと出ます。
木材保護塗料の耐用限界を30%としてそこに至ると考えられる時間を予測寿命としています。
無塗装品のISO暴露試験の結果、予測寿命は0.5ヶ月
国内でトップシェアがあると言われている木材保護塗料のISO暴露試験での予測寿命は2ヶ月
自然塗料で国内シェアがトップだと言われている自然塗料のISO暴露試験での予測寿命は2ヶ月
輸入の外装用塗料2種類は試験期間の12ヶ月の間では耐用限界の30%には至らず良い状態
をキープしました。(塗膜の欠損率が悪い方のデータで4.3%でした。)
この塗料をベースに試作し、4ヶ月目から暴露台に乗せた試作品も状態が良く4〜12ヶ月の間に
耐用限界に至りませんでした。..・・・結果今回の試験での評価は「9ヶ月以上」となりました。
予測寿命がが2ヶ月の製品と9ヶ月以上の製品とどちら良いのでしょうか?
多くの方がISO16053規格で2ヶ月の寿命と判断された塗料を使っているのです。
2年ではありません、2ヶ月の予測寿命なのです。
このデータは富山林業技術センターによって厳密に管理され使用環境に近くかつ厳しい野外環境下
での暴露試験ですのでそのデータは屋内で行う耐候試験と比較してより現実に即した結果になりま
す。
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